トラスト通信92
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社長から今伝えたいこと、トラストグループの企業理念にもある人間性を高める事へ繫がるように、社長がみなさんに伝えたい言葉等を題材にとりあげております。NISA(ニーサ)NISA(ニーサ) NISAって、聞いたことありますか? 今年1月にスタートした少額投資非課税制度のことで、英国のISAという制度をお手本にしています。元本で年間100万円を上限に、株式や投資信託へ投資した際の値上がりによる利益や分配金の利益が最長5年間非課税になります。2014年から2023年までの10年間、毎年100万円ずつ非課税枠の設定ができます。NISA口座以外で投資した場合、配当・分配金・譲渡益に対し20%の税金が課されますが、NISA口座で投資すると、税金がかからないのです。 既に、今年の3月末でNISAを通じた株式等の購入は1兆円を超えていて、個人マネーは貯蓄から投資に動きつつあります。NISA利用者のアンケートでは、値上がり益が期待できる株式や高配当が期待できる株式等へのニーズが高く、可能な限り長期保有し非課税メリットを享受しようとする傾向が見られます。英国では、年度末にISA投資が増えることが多く、NISAも同様の傾向が出ると金融庁は予想しています。 ちなみに、トラストホールディングスの株式も、現在の株価(2014年7月7日現在)であればNISAの非課税枠100万円の範囲内で購入することができます。将の資格 昨年十一月(平成二十三年)、ブータンのワンチュク国王が結婚したばかりの王妃とともに来日、被災地相馬市の小学校を訪れ、子供たちを激励した。その折の言葉がいまも胸に響いている。 国王は、ブータンの国旗には竜が描かれているが、自分は竜を見たことがあると切り出した。驚く子供たちに、国王は続けた。 「竜は私たち一人ひとりの中にいる。竜は自分の経験を食べて大きくなる。年を重ねれば強くなる。自分の竜を大事にしなければね」 短い言葉。だが、子供たちの心に残したものは大きかったに違いない。 国王はその前日に国会でも演説した。のちに内容を知り、感嘆した。その内容の深さに、である。 「ブータン国民は日本に強い愛着を持っており、震災後の日本のために祈り続けています」 「日本はアジアに自信と自覚と進むべき目標を示し、多くの国々に希望を与えてきました」 「三月の自然災害への対応では、日本及び日本国民は素晴らしい資質を示されました。他国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でも、静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対応されました。 文化、伝統的価値にしっかり根ざしたこのような卓越した資質の組み合わせは、現代の世界では他に見出せないものです。すべての国々がこれを熱望しますが、これは日本人特有の不可分の資質です。これらは数年あるいは数十年で失われるものではありません。そのような力を備えた日本から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう」 当年三十二歳。将の将たる人の見識と品格が溢れている。 ブータン王国は「国民総幸福量」(GNH)を重視する国だという。国のあるべき姿を高く掲げ、揺るがない。そこにも将の将たる見事な資質が現れている。 将たる人に欠かせない三つの条件、資格がある、と思う。 第一は修身。常にわが身を修めんとする姿勢の根本にない者に将の資格はない。 第二は自分のいる場を高めること。自分の場を高めるには、まず、あるべき姿、ビジョンを掲げること。そのビジョンに全員の心を奮い立たせること。 呂りょ新しん吾ごに素晴らしい言葉がある。 「聖人の天下を治むるや、人心を鼓舞し士気を振作し、努めて天下の人をして含がん露ろの朝あさ葉ばが如ごとからしめ、久きゅう旱かんの午ご苗びょうの如きを欲せず」(聖人が天下を治めるのをみると、人心を励まして勇ませ士気を奮い起こし、天下の人びとを露を含む朝の葉のように生き生きとさせ、長い旱魃続きの午後の苗のようにぐったりさせることはない) 第三は「君子、時じ中ちゅうす」時中とは時に適かなうこと。人生は変化の連続である。変化に対応して適切な処置を講じていける人物でなければならない。 最後に、敢あえて二つを挙げる。 危機感と人間的迫力である。 どんな組織も放っておいたら潰つぶれる。国も会社も、である。組織の長たる者は常に危機感を忘れてはならない。 その危機を救うため、さらには理想実現のために、一歩も退かぬ人間的迫力。これのない者に将の資格はない。「小さな修養論」(致知出版社)より抜粋。2

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