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2社長から今伝えたいこと、(本誌記者の「ゼロからここまで会社を成長発展させることが出来たのは、なぜだとお考えですか」という質問にたいして)信じる通りになるのが人生であるということですね。僕はこの言葉を自分で色紙に書いて、目のつくところに置いています。自分でこうなりたいと思っていることもなれないのに、思わないことが実現するわけは絶対にないですから。だから信じる通りになるのが人生ということですな。しかし世の中の人はみんな信じない。頭のいい人ほど先が見えるから信じませんね。できるわけがないと思ってしまう。だからむしろ鈍才のほうが教育しやすいですね。創業間もないころの日本電産は、私の家の一室で図面を引き、桂川の堤のそばにあった三〇坪ほどの染め物工場の一階を借りて、旋盤とボール盤、プレス機を一台ずつ入れて仕事を始めたんです。どこへ行っても仕事はもらえず、やっと受注できた仕事といえば過酷な注文がつくためにほかのメーカーのどこもやらないような仕事ばかり。技術者みんなに言うと絶対無理だと言う。そういうときはみんなを立たせて、いまから出来る出来ると一〇〇回言おうというわけです。「出来ます。出来ます。出来ます・・・」。「どうや」と。「いや出来ません」。今度は一〇〇〇回言う。そうすると不思議なことにだんだん出来る気分になってくるんです。そういう気分になったところで一気に始める。すると、客先の要求する性能に及ばないまでもかなりレベルの高い製品が仕上がる。こうやって日本電産の技術力が蓄積されていったんです。このときに「とても無理だ」「不可能だ」とあきらめていたら日本電産はとっくに倒産していたと思います。社員によく言うんです。「物事を実現するか否かは、まずそれをやろうとした人が〝出来る〞と信じることから始まる。自ら〝出来る〞と信じたときにその仕事の半分は完了している」とね。「一流たちの金言」(致知出版社)より抜粋。「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」 信じる通りになるのが人生であるトラストパークの企業理念にもある人間性を高める事へ繫がるように、社長がみなさんに伝えたい言葉等を題材にとりあげております。永守重信(日本電産社長)

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