トラスト通信88号
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社長から今伝えたいこと、球界の天才はいかにして    活力を生み出しているか                    イチロー論――――― 山本益博(料理評論家)トラストグループの企業理念にもある人間性を高める事へ繫がるように、社長がみなさんに伝えたい言葉等を題材にとりあげております。福証IRフェア in 大分福証IRフェア in 大分 平成25年9月13日(金)に福岡証券取引所主催の『第3回福証IRフェア in 大分』に参加しました。これは、個人投資家の皆様を対象とした会社説明会で、トラストホールディングスを身近に感じていただくために、個人投資家の皆様に直接ご説明を差し上げる貴重な機会であります。 当日は、地元大分に本社を置く株式会社グランディーズ様、モバイルクリエイト株式会社様に続き、最後に当社が会社説明を行いました。約120名の個人投資家の皆様を前に、当社の会社概要、事業内容、業績の推移、将来の展望などについて、渡邊社長に熱く語っていただきました。大分では「トラストパーク」の知名度も高く、アンケートの結果から多くの投資家の方々に興味を持っていただけたようです。 IR室は、このような個人投資家向け会社説明会を年に数回開催することにより、当社を応援してくれる投資家の皆様を増やす業務を行っています。 ご関心のある方は、説明会の資料を当社HP上から見ることができます。 http://www.trust-hd.co.jp/calendar/index/を開き「会社説明会 第3回福証IRフェアin大分」をクリックしてください。私も年に一度はシアトル・マリナーズのホームグラウンドへ足を運んでいるが、基本的に野球観戦ではなく、イチローを見に行っているのである。その際、一塁側の観客席からはベンチでのイチローの様子が窺えないため、相手方の三塁側に座ることもある。そこから双眼鏡でマリナーズベンチを覗いてみると、味方の攻撃中にもかかわらず、なぜかイチローはほとんどベンチにいないのである。テレビで観戦していても、誰かがホームランを打ってチームメートがハイタッチしている輪の中でイチローを探しても、まずいない。もちろん打順が回ってくる時はスタンバイしているが、それ以外はロッカールームで次の守備に備えてアンダーウェアを着替えている。とにかく彼は準備に準備を重ね、備えを怠らない人だ。なぜ準備をするのかということについて、彼は昔「言い訳を最小限にするためだ」と言っていた。例えば前の晩にグローブの手入れを忘れたとする。翌日の試合でたまたまミスをすれば、「昨日グローブの手入れを忘れたから」と道具のせいにしたり、言い訳したくなるものだが彼はそれを許さない。そこまで徹底して準備をするイチローは当然「ミス」がほとんどないのだが、二〇〇四年の七月一七日のクリーブランド・インディアンズ戦で貴重な(?)凡ミスをしたのである!ライトへの凡飛球をグローブに当てながらも落球してしまったのだ。この日のインタビューで、彼は「ルーティンのフライボールを落とすということは、野球を始めて以来、一度もなかったと思います。野球の基本を見直す機会にしたいと思います」と答えている。これほどの選手が「基本を見直す」と言う自体がすごいが、さらにすごいのは、その「見直し」が行われたであろう翌日の一八日から打ちに打ちまくり、八月一七日までの二八試合で一三二打数六七安打の記録を残したのである。イチローはヒットで出塁し、ホームインしてベンチに戻ってくると、すぐにバットケースから自分のバットを取り出し、いまのヒットはバットのどこに当たったかを見ながら、いったんバットボーイの手に渡ったバットを自分の道具として取り戻すためにチェックしているのだ。職人は毎日同じ仕事をしていても、日々の仕事の見直しや点検を決して怠らないものだが、ことバッティングに関して、毎打席、見直し・再点検を行っているイチローには恐れ入る。「一流たちの金言」(致知出版社)より抜粋。2

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