トラスト通信96号
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会長から今伝えたいこと、トラストグループの企業理念にもある人間性を高める事へ繫がるように、会長がみなさんに伝えたい言葉等を題材にとりあげております。中村天風哲人の教え今回は「中村天風先生」の心にまつわる言葉を勉強しましょう。心は用具である心というものの実際の消息は、あくまでも人生を完全に生存生活させていくための用具であるから、絶対にこれに使われてはならない。だからこそ、何はともあれ常に、人生に対する精神態度を徹底的に積極的にして、いかなる場合にもその精神態度が絶対的積極化という、尊厳なる状態に到達するよう心してその践行に努力すべきである。すべては心の働き何よりも一番先に考えなければならないのは、心なんです。なぜかというと、月を見ても、花を見ても、仕事をしても、遊ぶのでも、すべてそれを心が認識してこその生きがいでしょう。麻雀した、トランプした、面白いなあと思うのは、みんな心でしょう。おいしいものを食べて、「ああ、おいしかった」と思うのも心で、肉体ではないでしょう。肉体が味わう感覚を、意識の中に思い浮かべるのは心の働きなんです。うれしいのも、楽しいのも、辛いのも悲しいのも、みんな心なんです。心の操縦現代人が心を完全に操縦できないで、招かなくともよい不幸や苦悩を味わっているのは、あまりに実在意識を過重視し、潜在意識の存在をおろそかにするため、潜在意識の運用が不完全になっているからである。ちょうど、馬術の心得の乏しい人が駿馬に乗った時、馬の静穏の時はともかく、何かの拍子で馬が暴れ出すと、たちまち混乱に陥り、完全にそれを操縦するどころかしまいには振り落とされてしまうのと似ている。人生は心の操縦を完全にすることが先決である。中村天風一日一話(財団法人天風会編)2

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